第一部 俺嫁とは何か。己の萌と共に




今年も夏がやってきました。
年に一度の大佐を偲ぶ日と、思い出のかなたに行ったコミケ。
そして振り返った趣味の事でも書いておこうかと思います。
コミケについては当時のコミケ作戦の主力メンバー、佐藤超先生と私の録音した対談を掲載する予定です。
それでは、妄想に満ち溢れた世界ですが、気が向いたら読んでやってください。


第一部 俺嫁とは何か。己の萌と共に


1 まえがき

2 わが青春のアルカディア

3 フィーナと語るガチャ

4 あとがき

5 あいミスフィーナ姫時報



あいりすミスティリアにフィーナ姫が登場します。この件についていろいろと思う方もいらっしゃるでしょう。
ただ私は再び、フィーナと接する事ができてうれしくおもっています。
こんな形での再開(?)は驚きですが、今はただ、フィーナと行動できる幸せをかみ締めていきます。


鹿之介 :さあ、20ヶ月ぶりのあいりすミスティリア。いよいよ本番の明け瑠璃イベントが始まるわけで、緊張してきたねぇ。
フィーナ:ガチャを回すフレアライトの備蓄はどうかしら?
鹿之介 :何もやってないのに溜まっていてね、10連射まで可能。20ヶ月前に俺が書いていた、SSRを出すには3万円分は必要という、ボーダーは確保できてる。
フィーナ:準備は整えてないのに整っているのは、運の良さなのかしら?
鹿之介 :いろいろあったんだろう。本当に知らないけど。では回す前にイベントを進めてフィーナと再開(?)しよう。
フィーナ:あら、ガチャを後回しにするのはあまり感心できないのではないかしら?
鹿之介 :とにかく君の顔を見ないと落ち着かない。レベリングなんぞ後から出来る。まずは見よう。
フィーナ:顔を見るのなら毎日見てるでしょ。ふふ、困った人ね。
ポリン :ちょっと待ったぁ〜! 冥界の錬金術師、ケロケロっと登場! 新イベントの前に私の聖装をコンプしてよね! 
鹿之介 :済まないポリン、フィーナがすべてに優先するんだ。
ポリン :あのねぇ、あと少しで揃うっていうのに断念するのってどう? 1〜2枚足りないってどう思う?
鹿之介 :あと何枚足りないか見てみよう。それ次第で。
フィーナ:鹿之介、ポリンを揃えてあげなさいよ。私の方は大丈夫。必ず間に合わせて見せるわ。
鹿之介 :分かった。急いで取り掛かろう。あとは禁断のスマホ版に手を出して時間の不足を補おう。
ポリン :私とフィーナで態度が違うんですけど? 
鹿之介 :これは以前、職場でも言った事だが。俺にとってフィーナは絶対なんだ。申し訳ないが他の嫁キャラとは違うんだ。
ポリン :どういう経緯でその話題になったのか知りたいわね!!
鹿之介 :今確認が取れたが、ポリンのカエル聖装はコンプされていた。後は明け瑠璃イベントに突入するだけだ。突入前に一つ。
フィーナ:何かしら?
鹿之介 :昨年は淡々と書いた箇条書きが主だったので、ネタとしてお題を用意してみた。混ぜて使ってみよう。駄目ならやめればいい。
ポリン :事と次第では同意できないけど、分かってるわね?
鹿之介 :今年のお題は"キャプテン・ハーロック"
ポリン :古すぎない!?
鹿之介 :佐藤超先生からハーロックのリメイク漫画、次元航海を薦められてね。せっかくだからハーロック全般でネタを振ろうかと思ってね。
フィーナ:それではガチャをハーロックで。
鹿之介 :困難に立ち向かうスタイル。男にはスベると分かっていてもネタを出さねばならない時がある。


そこは薄暗い室内だった。食堂ではあるので広くはあるが照明の明かりは届いていない。
あまり上品な場所ではないようだ。
白と群青色で構成された端正な軍服。一部が焼きつき、汚れていたのが激戦を潜り抜けてきていたことを思わせる。
軍服に身を包むのは、先の星間戦争で敗北し、先ほどまで復員船の指揮をしていた女性。
元太陽系連合内周艦隊所属、月面スフィア王国第二艦隊旗艦の艦長を努めていた、フィーナ・ファム・アーシュライト王女であった。
彼女はこの食堂に与えられた、数少ない食事を求めてやってきていた。
全自動配膳機に小石を入れる。フレアライトといって、この場合は食券と思えば良いか。ただし、どのような食事が出るかは分からない。
彼女は一つを入れたが機械の反応が無い。さらに入れ、もう一つ入れると、機械は動いた。
(食事用の石を10個渡されて、3個で一食とはね…)
フィーナは自分に与えられた、厳しい現状を思った。楽に生きる方法もあった。しかし、それは彼女の誇りが許さなかった。


数分前に出頭した、太陽系連合を降伏させた、イルミダス帝国軍の司令部でのことを思い出す。
地球人を罵り、侮辱の言葉を吐きつける参謀はフィーナに仕事の紹介をする。
「君が望むなら仕事を与えよう。食うに困らず、待遇も良いぞ。特に君はいい」
下卑た表情の参謀に「結構です」と吐き捨て、司令部を後にした。
司令部の秘書から受け取った、食事用のフレアライトがフィーナへの最後の給与だった。
仕事を受ければ確かに、食うには困らず、ある一定の立場の敵将校から庇護を受けられるだろう。しかし、それは多くの同胞、そして王国すらも裏切る行為。絶対に出来るはずがなかった。


完成して提供される食事を見て驚く。
皿に乗った、良く分からない黒い物体。昔、地球で見たカーボン料理が生易しく見えるほどの焦げたものなのか。
こんなものが食事なのか。嫌な臭いすらする。
とても食べる気にはなれなかった。しかし、食べなければならない。このようなものでも、これを食べて生きていかねばならない。
負けるとは、これほどにも屈辱的なのか。
皿を持ち、食堂内を歩くフィーナに、視線を送るイルミダス軍の兵が声をかけた。
「姉ちゃん、一人じゃ寂しいだろう。遊んでやるからこっちにこいよ」
フィーナは振り返り、睨み付ける。
いきり立つ兵を隣の兵が止める。
「やめろ、あいつは黒襟だ」
太陽系連合の軍人で特に功績のあった者に送られる襟章で、その者は一騎当千とも言われた。
たいした度胸のない兵士を無視するフィーナに罵声が飛ぶ。
「大方、どこかの空間で俺達の船にかすり傷でもつけたんだろうよ」
「かすり傷か、違いない!」
「態度がでかいのも今だけだ。裏切り者だらけの地球人に絶望して、すぐに俺達に擦り寄ってくるぜ!」
耐えた。どんな罵声にも耐えた。
そして、今は食べて明日の活力を補い、生きていかねば。
着席して一口かじる。
苦く甘辛い澱みのある、信じられない味がした。これは食べ物なのか。


ふと目を上げると、そんな物でも必死に食べ続ける男の姿が目に入った。
〜 BGM 時間を越えた出会い (わが青春のアルカディア)
真紅の軍服は太陽系外周艦隊のものか。
こんなものを齧り、胃に押し込め、その背中は泣いていた。
(お互い、惨めね。でも明日には希望がある。貴方も負けないで)
フィーナは心の中からエールを送ると、自分も齧りついた。
ともすれば、涙が出そうになるような風味になれつつある頃、目の前に酒瓶が置かれた。度数の高い洋酒か。
顔を上げると、そこに先ほどの男の姿があった。冴えないメガネをつけ、身長も自分とそんなに変わらないか。
「…元気を出せよ」
男はさらにテーブル上に石を複数置いた。
「有償フレアライトって言うんだ、こいつなら一個で一食だ。ま、出てくるものは同じだがな」
言い終わるとフィーナの返事も待たずに背を向ける。
(励ましていたつもりだったけど、励まされていたのは私のほうだったのね)
フィーナはグラスに洋酒を少量を注ぐと、舐めるように口にする。
(私たちの明日に…!)





鹿之介 :君をハーロック、俺をトチローにしてみた。こんな所でどうだろう? 
フィーナ:ストーリーの後を考えると複雑な心境にならないかしら?
鹿之介 :原作ではこの直後に大乱闘。逃亡中に俺(トチロー)はひっくりこけて酒瓶が粉々。フィーナ(ハーロック)は銃撃を受ける達哉(マーヤ)の元に行こうとするが、全然届かないどころか自分が撃たれて独眼竜。わが青春のアルカディアはどん底からスタートする物語。
フィーナ:分からない人が多いのではないかしら。特に読み手のことを考えると。
鹿之介 :説明文でも書いておくか。いや、それならダイジェストで簡素にストーリーを書いておこう。佐藤超先生や安房守でも分かるように。
ポリン :あの、ガチャのネタが思っていたのと違うんだけど?
フィーナ:達哉を死なせないようにね。
鹿之介 :ああ、その辺はしっかりやるよ。とりあえず、フィーナと達哉が合流に失敗してから書いてみる。極めて簡素に分かりやすくしよう。20年以上前の記憶。うろおぼえで書く、わが青春のアルカディア。後で答え合わせだ!




右目を失う重傷を負ったフィーナは、地球人達の野営地で休息を取っていた。
自由貿易人の船が停泊しているそばで不便はなかった。
回復をして動けるようになった頃、その野営地は完全武装のトカーガ兵に乗り込まれた。
トカーガとは、イルミダスが以前に隷属させた星間国家で、太陽系連合との戦争ではその尖兵となって太陽系連合と戦っていた。
鹿之介の声に気づいたフィーナがテントを出ると、トカーガ兵達の指揮官、ポリンが目に入った。
「貴方はどこまでイルミダスの犬に成り下がっているのですか!」
「違うのよ。貴方達をどうこうとする為に来たわけじゃない…」
ポリンは力なく答え、その用件を話した。
内容は衝撃的なものだった。太陽系連合を降伏させたイルミダスは、用済みとなったトカーガを滅ぼす事を決めたのだと。
目に涙を浮かべてポリンは言う。
「目を閉じれば、故郷で泣いている妹の姿が見える! イルミダスの手先になり下がった私を思って泣いている!
その故郷も滅ぼされてしまう。死ぬのなら家族、仲間達と一緒に戦って死にたい…」
嗚咽するポリンに鹿之介が泣いて慰める。
ポリン達は自由貿易人の船を借りて故郷、トカーガ星に帰りたかっただけなのだ。
しかしその船を使うことは出来ない。どのような理由があれ、自由貿易人がその資格を喪失してしまうからだ。
「俺の船を使おう…。腕のいい、信頼できる艦長を探していたんだ。フィーナ、君が艦長になるんだ」
もう一度、宇宙を駆けることが出来る。フィーナは頷いた。
トカーガはフィーナ達が救援に向かう。その間、ポリン達はイルミダスに忠誠をつくす振りをして地球人の為に戦う約束をした。
「ゴーラム!」
杯をあげるポリンがさらに言う。
「本当の勇者と酒を飲むときに交わす言葉。この言葉を共に誓った友は決して裏切らないのよ!」
「ゴーラム!」
「ゴーラム!」
フィーナ、鹿之介も続いた。



地球人による断続的な攻撃がイルミダス軍に襲い掛かる。
達哉の放送する自由アルカディアの声に同調する仲間達が、艦の発進を援護してくれているのだ。
保管されている場所はイルミダス軍司令部の地下。急ぐ二人に何者かが追いつく。それはかつてのフィーナの側近、カレン・クラヴィウスだった。
「達哉君からフィーナ様へ。お受け取りください」
軍旗のようだった。
広げると黒地に白で大きく髑髏が描かれていた。
「まるで海賊ね…」
「これは、骨のとなっても戦い抜く意味を持っている。そしてそれは、最後の一人になっても戦い抜く、勇者の心だ」
鹿之介が続けて言う。
「この自由の旗の下、宇宙を駆け、君に最後まで戦って欲しい。達哉の思いが込められているんだ」
フィーナは頷き、そっと頬ずりをした。
達哉の思いを感じれたような気がした。
ゴンドラを伝って艦に辿り着くと、すぐに発進のプロセスに入り、準備が整う。
「艦長、発進の合図を!」
鹿之介に促され、フィーナは力強い言葉を放った。
「アルカディア号、発進!」
重エンジンに火の入ったアルカディア号はそのまま艦体を持ち上げ、地面を割り、イルミダス軍司令部の目の前を堂々と飛び立っていく。
目指すはトカーガ星。



「酷いやられ方だ。生き残っているものがいるとは思えない…」
トカーガ星に到着した二人はガレキの中を、ポリンから渡された資料を元に進む。
「最後の一人まで戦い抜いたようね。」
フィーナの前には、目を開いたまま銃を持ち、絶命した少年が座り込んでいる。
そのまぶたをそっと閉じ、イルミダス軍への憎しみを募らせる。
ポリンの妹を発見する事はできたが、すでに虫の息だった。
さらに生き残りのトカーガ兵を救助できたが、結果的に誰も救う事はできなかった。
地球へ向かう途中にポリンの妹は息を引き取り、航海中に生命反応を引き寄せる恒星に捕まった際は、残存トカーガ兵がアルカディア号を助ける為に全員、身投げをしてしまうのであった。
そして、アルカディア号は帰ってきた。ポリンとの約束を果たす為にイルミダス軍の大軍が待ち構える中、アルカディア号は帰ってきた。



アルカディア号の眼下にはイルミダス軍、一般地球人、旧太陽系連合の将卒らが見えた。
着陸し、艦を降りてきたフィーナ達を出迎えたのは、傷つき、戦えなくなっていたレジスタンス達だ。
レジスタンスの説明ではポリンは勇敢に戦っていたが、イルミダスに忠誠をつくす旧太陽系連合、地球の兵に背中から撃たれたと。
自由アルカディアの放送をして地球人とフィーナに、未来と勇気を与えていた達哉も撃たれ、こちらは月の兵からの銃撃で瀕死の状態であった。
フィーナは担架の上で動けなくなっていた達哉を起こし、抱きかかえる。
「達哉、死なないで。私よ、フィーナよ!」
鬼気迫るフィーナの掛け声に、達哉は弱弱しく答える。
「ああ、フィーナ。もう、会えないかと思っていた……」
「しっかり、死なないで達哉!」
「君が飛び立つ姿を見たとき、俺も一緒に行きたかった………。星の瞬く……、海を、、君と…駆けたかった。」
「達哉、達哉ぁ!」
「聞いてくれフィーナ! 君はもう王女でもなければ軍の幹部でもない!…自由の旗の下、己の、胸の内に………あるものの為だけに戦って、強く生き抜いてくれ! 君と一緒に自由の海へ飛び立つ姿が見える、ああ、フィーナ。フィー………」
「いやぁぁぁぁっっ!」
抱きかかえ、泣きじゃくるフィーナに鹿之介が言う。
「フィーナ、達哉をアルカディア号の自動手術室へ搬入する。脳死に至ってなければまだ間に合う可能性は高い」
顔を上げるフィーナにハンカチを渡す。鹿之介はわずかなクルーに達哉の搬入を指示する。




立ち上がるフィーナの背中に、現地球連邦首相の言葉が叩きつけられる。
「君達を地球から追放する。イルミダスと地球の友好に君達は邪魔だ。地球圏の敵だ。冥王星の向こうまで出て行け!!」
フィーナは振り返り、首相を睨む。
「地球圏の為に戦う私たちに出ていけと言う。いいでしょう。出て行きましょう。
 しかし、私は忘れない。
 ポリンを背中から撃った卑怯な地球人。
 同胞の達哉を撃った卑怯な月人」
睨みつけられた首相は慌てて口にする。
「いや、我々は…」
首相の声は力に弱く、情けないものだった。
さらに睨みつけるフィーナ。
「言い訳はするな! それ以上、卑怯な事は無いのですから」
視線を卑怯者から眺めている地球人に向ける。
「誰か、私たちの船に乗るものはいませんか? いれば連れて行きます」
数秒後に数名の若い者がフィーナの前に出てくる。
「あの旗に誓えますか、己の胸の中にあるものの為だけに戦うと!」
「誓う!」
「帰る所はありませんよ!」
「星の海が故郷だ!」
フィーナは頷くと、新たな仲間をアルカディア号に促す。
死んでいった兵達の棺も乗せる。
勇敢に戦い、地球で死んでいったトカーガの兵を埋葬する為だ。
乗せ終わると、フィーナは最後にタラップを上がる。その背に声が飛んだ。
「お待ちなさい、フィーナ」
振り返ると、イルミダス地球占領軍総司令官、アナスチガルの険しい表情が目に入る。
「占領軍総司令官として、このまま貴方達を行かせるわけにはいきません。
 そこで決闘を申し込みます。場所はここから一番近い、火星軌道上」
フィーナは頷くとその姿を艦内に消した。
アルカディア号が飛び立つ。失意と希望を乗せて。無限に広がる星の海へ。



火星軌道上に到着すると、すでにアナスチガルの旗艦は到着していた。
三胴式の船体構造を持ち、相互で庇いながらエネルギーを集中させることのできる、強力な戦闘艦だった。
速度も申し分ない。なるほど、あのような船を前線に出せられるのだから、先の大戦で勝てたのだ。そう思わざるを得ない重厚感も持っていた。
「凄い船だ。しかし、俺の船も負けちゃいないぜ」
細部の確認を急ぎながら、鹿之介がアナスチガル艦に感心する。
やがて二艦は通信を繋ぎ、古式に則ってお互いが名乗りを上げる。
「イルミダス地球占領軍総司令、アナスチガル!」
「スフィア王国第一王女、フィーナ・ファム・アーシュライト!」
〜 BGM 決闘 己の旗の下に (わが青春のアルカディア)
名乗り終ると、向かい合った二艦は前進速度を落とし、高度を合わせる。左舷を向けての砲戦体勢をとる。
アナスチガル艦は片舷に30門は超えると思われる砲を保有しており、斜角は小さいが、火線を敷くことには強さがあった。
一方、アルカディア号は大口径のパルサーカノンを3連装3基を保有しており、斜角はかなり広く取れるものの、すべて前方を向いており、後方には撃てなかった。
そして二艦が左舷を向け合ったとき、一斉に砲火が放たれた。
夥しい数の小口径弾、恐るべき大口径弾が相手の喉笛を噛み切らんとばかりに打ち込まれる。
双方が大損害を出して離れていく。そして右舷でも同じように打ち合うと双方の被害はさらに大きくなった。
「うわぁっ!」
戦闘艦橋付近への直撃弾の衝撃で鹿之介が座席より放り出され、床に叩きつけられる。
「大丈夫!?」
「ああ、俺は大丈夫だ…、しかし、照準器がやられてしまった。あれが無ければ当てる事ができない…」
フィーナに起こされながら、割れてしまった眼鏡をかけなおす。どうにかしなければ。
ここで鹿之介は艦橋よりの指示による一斉砲撃から、その上部にある射撃指揮所からの光学射撃装置による手動砲撃に切り替えて、砲戦を続ける。
一方、アナスチガル艦も損害は大きく、少なくとも両舷の船体は戦闘どころか維持も出来なくなっていた。
いたる所で火災は発生し、小爆発を起こしては人的被害を増やしていた。
「外部船体の乗組員は300秒以内に乗り移れ」
アナスチガルは非常の決断をした。



三度目の砲戦が近づく。
二艦はさらに速度を落とし、出来る限りの砲弾を撃ち込めるように、そしてあわよくば、この一戦で決めるつもりだった。また、それ以上戦えなかった。
アナスチガル艦は再び左舷をアルカディア号に向ける直前、両舷の外部船体を切り捨てた。
「アナスチガルの中央の艦は無傷か…!」
達哉がうめく。アルカディア号は両舷からの煙がいまだに消えていない。これ以上の損害に耐えられるのか。そして残りの中央艦を叩けるのか。
「鹿之介!アナスチガルの艦橋付近を集中砲撃!」
「了解した!」
フィーナの指示に鹿之介が応える。
照準器の中心にアナスチガル艦中央部を捉える。各主砲がそれに習って旋回する。艦は接近してきて大きく写っていく。
「畜生、手が震えてきやがった…」
照準器を覗き、発射装置に手を添える。
砲撃はやはり、二艦とも同時だった。
「撃てっ!」
「撃て!!」



双方から放たれる砲弾は互いを抉り、滅し、破壊していく。
「ひるまず撃ち続けてください!」
アナスチガル艦からの砲火の一部はすでに破壊されているアルカディア号の装甲から飛び込み、内部を破壊していく。
火勢に衰えが無く、まさにエネルギー弾のカーテンをかけたようであった。
「鹿之介、撃ち続けて!!」
「このっ!」
負けじとアルカディア号も撃ち続ける。撃っては照準を再修正、撃ってはの繰り返し。
必死の砲撃であった。
この三度目の砲戦で決着はついた。
「鹿之介、そちらは無事かしら?」
「ああ、なんとかな。しかし、次は保証の限りでは…」
抉られた艦体から煙が噴出し、射撃指揮所まで届いていた。
しかし、アルカディア号は耐えた。耐え切った。
アナスチガル艦では火炎が艦橋、戦闘指揮所まで届き、戦闘続行が困難となり、総員退艦が行われた。
そして再び艦は旋回し、アルカディア号の正面へ回りこんだ。乗っているのはアナスチガル一人。
その光景を見るフィーナ。かつての戦いが思い出される。
「アナスチガルは本当の勇者です。昔の太陽系連合にはあのような勇者が沢山いました…。」
よろばうように進むアナスチガル艦。
「来るぞフィーナ、体当たりだ。撃つぞ!」
正面に大きく迫るアナスチガル艦。鹿之介は発射装置に手をかけすぐに撃てる体勢をとる。
アルカディア号も損害が大きい。体当たりに耐えられる保証はどこにもなかった。
「撃たないで。お願い!」
「何だって!?」
フィーナには爆炎に包まれつつあるアナスチガル艦が何か出来るようには見えなかった。
そして、体当たりをしてでも戦おうとするのならば、それをやらせてやっても良いのではないか。
勝者の余裕ではない。勇者が勇者を知り、させてやり、その上で、自分とその仲間、そして船を信じていた。



スクリーンに通信が入り、アナスチガルが写る。
「自由の旗を掲げ、思うままに飛びたてる貴方がうらやましく、容赦をしない戦いをするつもりでした。
いい戦いでした。冥界で再会したら、その時は友として、お酒を飲みましょう。
それまで、貴方は夢を果たしてください。決して………、死んではいけませんよ」
自愛に満ちた、敗者と思えぬ顔だった。
やりつくした、戦い抜いた勇者の笑顔だった。
衝突寸前でアナスチガル艦は大爆発を起こし、その爆炎はアルカディア号を包んでいく。
爆炎から抜け出たとき、次の戦いの舞台が待っていた。



「レーダーに感あり、宇宙座標Z4の方向」
艦橋乗組員があわただしく操作パネルを触る。
メインスクリーンに映し出される艦影はイルミダス軍のもので、数は把握できただけでも100を超える。
地球占領軍への新規の増援だろうか、それとも、トカーガを叩いた部隊が増援として廻ってきたのか。このままでは会敵し、砲戦になる公算が高い。
被害状況を把握しに艦橋に降りてきていた鹿之介はスクリーンを見るも、意に介せず、艦内チェックを急いだ。
達哉は振り返り、舵綸を握るフィーナを見る。
「今から全速で離脱すれば、振り切れる。
 アナスチガルはそれを知っているからこの宙域で決闘したのだろう」
まぶたを閉じ、フィーナは思う。
生きて自分の夢を果たせ。アナスチガルの澄んだ顔を思い出す。
しかし、フィーナに浮かんだ考えは、以前の自分が出したであろうものとは違った。艦橋乗組員が見守る中、俯いたまま、言う。
「これは私達の門出。その門出で逃げたと、末代まで思われたくありません。
 鹿之介はどう思うかしら?」
「敵に背中を見せながら、海に出たくねぇ」
その返事を聞くなり、まぶたが開き、不敵な笑みを浮かべた。
「決まりですね。全艦戦闘用意! 反転面舵180度。目標、イルミダス艦隊旗艦!」
〜BGM 海賊の戦い (わが青春のアルカディア)
舵輪を回す。アルカディア号の艦首が重々しく右舷に流れていく。
「よし、これでパルサーカノンはいつでも撃てる。防御力にやや不安があるが、隔壁を二重に閉めておいた。後は旗だ」
フィーナ、達哉らが鹿之介を見る。鹿之介は言葉を続けた。
「イルミダスの奴らに俺達の自由の旗を見せ付けてやるんだ。目立つよう、もう少し強くたなびく様にしておこう」
フィーナは頷いた。
(自由の旗の下、己の胸の中にあるものの為だけにたたかう)
「とても、大事なことね」
「それにしてもこの先、俺達に会う奴らは気の毒だ」
達哉もこの状況を面白がっていた。
「全くね。でも、これが海賊の流儀よ」



巧みな操艦だった。
このアルカディア号は数を頼りに攻め立てるイルミダス軍との決戦兵器である。
その為に重装甲に高火力、高速度が要求され、その結果、重くて舵が利きにくく、出足が鈍く、回頭すると勢いよく動くが戻すに難儀した。
そんな艦を右に左にと操り、まるで長年の経験を積んできたかとした思えない操艦だった。
(俺はついに見つけた。俺とその艦のすべてを託す事の出来る艦長を)
鹿之介は感動に胸を震わせていると、一つの事に気づいた。皆も気づいていた。
降り注がれるかのような火線は操艦による回避も多いが、艦に当たる直前にあらぬ方向へ曲がっていた。
分かったことは一つ。
「アルカディア号の周辺の空間が強力な重力波によって捻じ曲げられている。恐らく、アナスチガル艦の反重力機関の大爆発で…」
それを聞いたフィーナはすぐに判断を下した。
「速度を最大戦速へ。このまま突入します!」



信じられないことだった。
今頃、あのドクロの旗をたなびかせた艦は、蜂の巣となって宇宙のチリとなっていたはずだ。
それがどうした。大きな図体をたくみに揺らしながら接近を続け、終いには直撃するエネルギー弾をカーブさせている。
勇者は弾をかわさない。弾が勇者をかわすのだ。そんな言葉を地で行くかのような状況だった。
イルミダス軍総司令の目の前に写るメインスクリーンには、アルカディア号の艦首のドクロが少しずつおおきく表示されていく。
そのまま突っ込んでくるようだった。何故、味方の弾は当たらない。何が起こっているのだ。
スクリーン一杯にドクロの紋章が写しだされる頃、彼の胸の奥から迫るもの、それが真の恐怖だと、ついに理解する事はなかった。
ドクロが右へ急速に流れていく。そして強い衝撃が走り、彼は床に転がった。
すぐに起き、叫ぶ。体当たりだ。被害状況知らせ!
返答はない。代わりに風の流れを感じた。
流れの来る方へ向くと、そこには女性の姿があった。艦橋に穴を開け、直接乗り込んできたのだ。
白と群青色で構成された端正な軍服。腰に不釣合いなコスモガンをぶら下げ、右手には重力サーベルを握り締める。
「貴様はッ!」
かろうじて出る、総司令の言葉。それに答える、優しさと力強さを感じる、毅然とした声。
「海賊戦艦アルカディア号艦長、フィーナ・ファム・アーシュライト!!」
「貴様の戦い方は…!」
コスモガンを向ける総司令は眉間を打ち抜かれ、最後まで言葉が続かなかった。
動けない幕僚を見渡し、フィーナが言う。
「ルールに無いと言いますか。愚か者よ、よく見ておきなさい。これが海賊の戦い方です」
フィーナは踵を返すと、艦橋に開いた穴からチューブを伝ってアルカディア号に戻っていく。
アルカディア号は旗艦から離れると、全速力で離脱してゆく。後には統制が取れず壊乱した艦隊の姿が残った。


「進路を変更します。目標は外宇宙。この星の海に、私達の夢を求めて!」
〜BGM わが青春のアルカディア (わが青春のアルカディア)


終り。





鹿之介 :ダイジェストのつもりで書いたが、それでも長いなぁ。最後まで読む人はいないだろうね。とりあえず、キャラの紐付けをば。
ハーロック  フィーナ
トチロー   鹿之介
エメラルダス 該当なし
マーヤ    朝霧達哉
ラ・ミーメ  朝霧達哉

ゾル     ポリン
トカーガ老兵 該当なし

ゼーダ    アナスチガル
グリムゾン  該当なし


フィーナ:読むと続きはどうするのか、聞かれたら困る顔ぶれではないかしら?
鹿之介 :無限軌道SSXについては、実は見た事が無いので取り扱えないんだよね。Xに相当するエメラルダスがいないし。ちなみに歌は最高。俺たちの船出、ハーロックのバラードは名曲だと思う。
ポリン :エメラルダスがいないのはアンタの都合?
鹿之介 :それもあるけど、いなければいないで困るキャラでないのでね、省略してみた。いなくても困らないが、いたときのインパクトが絶大。それがエメラルダスの魅力の一つ。
フィーナ:どうせ書くならマゾーン編を書けと言われるのが予想されるけど、どうかしら?
鹿之介 :一応考えた。死んだ君と達哉の娘に、俺がオカリナを一緒に吹きながら、マゾーンと戦うって流れかね?
フィーナ:そうなると、アルカディア号の42人目の海賊は自動的に私になるのね。貴方はそれでよいのかしら?
鹿之介 :良くはないけど話は作りやすいよね。で、問題は先が分かってしまうんだよね。ラストでフィーナそのもののマゾーン士官が出てきて倒せないでいると、アルカディア号が宮殿内部に突っ込んでくるとか先がすぐに読める。
フィーナ:予想できてしまうのが書く方としても面白くない。妄想ネタも難しいのね
鹿之介 :先が読めないのを考えてみるよ。もし本当に書くなら完全オリジナルになってしまう。ちなみに上のアルカディアネタの鹿之介の台詞は、富山敬で脳内返還しながら書いたので、トチローに出来る限り近づけたと思っています。
フィーナ:エメラルダスがいなくて寂しい人は、私の台詞を田島令子で脳内返還してみてください。特に最後から2つ目の台詞。
鹿之介 :わが青春のアルカディアという作品は、エメラルダスがいなくても成立するよなって思いながら書いてましたが、
フィーナ:ハーロックとエメラルダスを入れ替えてもそれなりのものに仕上がる、不思議な発見をした次第です。
鹿之介 :これは、わが青春のアルカディア(戦場まんがシリーズ)とスタンレーの魔女(同シリーズ)を省いた副産物かな。







答え合わせだよ!





鹿之介 :グリムゾンじゃなくてムリグソン。これは昔もやらかしたなぁ。
フィーナ:ゼーダの艦も名前があったのね。
鹿之介 :台詞には無かったね。パンフレットには書いてある。
フィーナ:転んで酒瓶を割るのはハーロックの方ね。どうしてトチローになってしまったのかしら?
鹿之介 :落ちたのを舐めていたからかな。
ポリン :乞食みたいな行動が反乱となる件について。
鹿之介 :トチローの、"落ちているものを食べる"ことについては個人的な意見だと、生活力の無さが彼の特徴かと。馬鹿にしているんじゃなくて、天才らしい特徴だと思う。
フィーナ:足で踏まれた鶏の足を食べる時(エメラルダス)も、それ以上、泥で汚れないかを心配する。そして切り付け、それを食べる。
鹿之介 :彼にとって日常かもしれない。で、それが反乱についてだけど、作中でも「それが反乱になるのか?」とハーロックから言われている。非常に分かりにくい。いや分からない。
フィーナ:その話しは途中で武器があるか無いかに変わっていて終ってしまう。
鹿之介 :乞食の真似をしてでも媚びて物資を得るような奴にはならない。抵抗の意思を見せ続ける。それが一人だけの反乱ってやつかと思ってるが正解かどうか…。
フィーナ:私が名乗るのも原作に無いのね。
鹿之介 :うん。実際には決闘の構えをするだけ。名乗るのはオリジナルだよ。どうせならフィーナが海賊になっていくのを分かりやすくしたんだ。
フィーナ:原作のハーロックはアルカディア号に乗り込んだ瞬間、いつもの服装になっていたわね。
鹿之介 :あれほどは分かりやすくていいね。ただ、ハーロックだけ変わってるから、それとない違和感があった。
フィーナ:トチローはそのままだったものね。
鹿之介 :トチローの基本は放浪スタイルだから変えないほうがいいのだろうけど。
フィーナ:ゼーダが自由の海へ飛び立つハーロックを妬む描写って無いのだけれど、これは貴方のオリジナル?
鹿之介 :いやそんなことはないよ。印象深い台詞でずっと頭に残っていたんだ。ムックに無いから映像でもないね。ぱっと見たらノベル版の描写だった。
フィーナ:ノベル版はゾルの妹が生きていたりと変更点が多いわね。
鹿之介 :うまく、面白く変更してるよ。映像が気に入った人は万難を廃してでもノベル版を入手して読もう。昔、何回も読んだなぁ。





原作を気にしながら続きを書く場合。

1 フィーナ、愛と勇気と決断力でイルミダス軍を地球圏から撤退させる、瑠璃色の奇跡を起こす。
2 まゆ誕生。鹿之介がアルカディア号から退艦し、機械伯爵を倒す為にヘビーメルダーへ向かう。フィーナはまゆを地球に下ろし、守る。
3 マゾーン出現。フィーナはまゆの隣でオカリナを吹いたり、マゾーン戦闘艦を衝角で破壊して守る。
4 鹿之介死亡。フィーナはその墓を作ってくれた星野鉄郎を助けるべく、ヘビーメルダーまで行き、機械人間の口に牛乳を注ぐ。
5 フィーナはまゆの隣でオカリナを吹いたり、地球や金星にあるマゾーンの基地を探る。
6 星野鉄郎、機械化母星、惑星プロメシュームを攻撃。フィーナは大急ぎでアルカディア号で加勢に向かう。
7 フィーナはまゆの隣でオカリナを吹いたり、マゾーン前衛艦隊を目指す。この頃は鹿之介が中央大コンピュータになっているので、放っておいても、危機に陥っても何とかなる
8 マゾーン、フィーナのスキをついてまゆを攫うという、やっていい事と悪い事の限界を超える。
9 マゾーン本体に反乱が起きる。フィーナはまゆの救助とマゾーン殲滅を決断できず、鹿之介がまゆ救出に舵を切る。
10まゆ救出。マゾーンと決戦し勝利。地球マゾーンの一斉決起で地球が灰燼と化す。
11海賊を解散したフィーナは台羽に「歴史を作りなさい」と言葉を残し、単身、痛み切ったアルカディア号で地球を去る。
12星野鉄郎、機械化母星、惑星メーテルを攻撃。フィーナ、慌ててアルカディア号で加勢に向かう。



鹿之介 :フィーナ、君は忙しいなぁ。
フィーナ:貴方のやっていた、艦これのイベントみたいね。あちらに行き、こちらに行き、同じことを何度もする。
鹿之介 :鉄郎が親父に勝てばS勝利。失敗したら惑星メーテルに向かう前からやりなおしだ。
フィーナ:それ、私は関係ないのにやりなおし。ところで、これ書くのかしら?
鹿之介 :うんにゃ、書かない。上の続きを書く場合、イルミダスをどうにかしてマゾーンを迎え撃つのだから、完全オリジナルで考えないといけない。昔のSRCシナリオを作り直す方が先だね。





鹿之介 :さあ、いよいよガチャを転がす時が来た。フィーナが出ないかもと思うと、緊張するなぁ。
フィーナ:私が貴方の期待に背いたことが今までにあったかしら? 他のキャラとは違うのでしょう? アルカディア号に乗ったつもりで構えて欲しいわね。
ポリン :何がどう違うの?
フィーナ:絶対の存在と言われた私は、違いを見せねばならない。つまり、
ルシア (マドゥーラの翼)
ファンナ(甲竜伝説ヴィルガスト)
水野亜美(美少女戦士セーラームーン)
葵 奈月(はるかぜ戦隊Vフォース)
有栖川光海(バーチャコール3)
仁礼栖香(遙かに仰ぎうるわしの)
アリス・マーガトロイド(東方シリーズ)
足柄(艦これ)
五更瑠璃(俺妹)
ハチロク(まいてつ)
フィーナ:今あげた、綺羅星のように輝くヒロイン達と一線を画す存在であるの。出会えないまま終ることなどありえないわ。
ポリン :その数って必要最低限のものなのに多いわね。
フィーナ:その件についてはまた後でね。
鹿之介 :と、とりあえず転がそう!
〜 BGM 戦闘 (宇宙海賊キャプテン・ハーロック)
フィーナ:蛍、台羽、非常戦闘用意。フレアライト召還、斉射10連!
鹿之介 :了解!
ポリン :了解! ネタはこういうシンプルなものがいいわね!










鹿之介 :巨乳村の巨乳祭りじゃ、なんまんだぶなんまんだぶ…。
ポリン :ぐはっ! 巨乳、巨乳、どいつもこいつもみんな巨乳だ!
フィーナ:調子がいいみたいね。
鹿之介 :いやぁ、20ヶ月もやってないと、キャラが分からないね。それにしてもギゼリックはいいキャラだね。
フィーナ:どんな所がいいのかしら?
鹿之介 :カラッとした所は好感が持てるよ。俺はくどくど言う奴は苦手でね。あと胸。
フィーナ:それなら、貴方の住所はファウスタに変更しておかなければいけないわね。
鹿之介 :あの、これで怒られるとその、言いにくくなるんだけど。まあ、安心してくれ。誰が出てきても君が一番だ
フィーナ:冗談よ。それにしても20ヶ月のブランクを埋めるのは時間がかかりそうね。
鹿之介 :知らない間にあの、物の命をなんとも思ってない、若い頃の山のフドウみたいな天使とか、まな板にセシルママが仲間に加わっているがよく分からん。
フィーナ:イベントが終了したら再開ね。




ポリン:その後は持っているSRとRの乱れうちで8斉射目が終わりました。5斉射あたりから口数がどんどん減っていくのは気の毒でした(笑
鹿之介 :………。
フィーナ:………。
鹿之介 :その、なんだ。
フィーナ:何かしら?
鹿之介 :戦況は不利だが、ここは一息入れてはどうだろう?
フィーナ:貴方は明け瑠璃ガチャを回してるの。現実逃避の休憩で誤魔化してはいけないわ。
鹿之介 :ごめん。迷いが出てしまった。
フィーナ:私こそごめんなさい。ちょっと言葉が強かったわ。
鹿之介 :………。
フィーナ:………。
〜 BGM 時間を越えた出会い (わが青春のアルカディア)
ポリン:元気出せよ(瓶を置く)
フィーナ:牛乳瓶ね。
鹿之介 :これはあれか、加藤ちゃんの健康牛乳とかいって、俺が飲むのかな?
フィーナ:ちょっと待って。それはけんちゃんの健康牛乳で、飲むのが加藤ちゃんではないかしら?
鹿之介 :フィーナ、君はよくそんなことまで覚えているなぁ。
フィーナ:あら、たまたま思い出せただけよ。それより、この牛乳はあのネタよ。


〜 BGM 決戦 (銀河鉄道999劇場版)

フィーナ「一杯やれよ!」
片手で持った牛乳瓶。そしてそのフタを親指一つで砕くフィーナ。
鹿之介「ま、まってくれ。ミルクは身体が錆びるんだ! んぐっんぐっ!」


鹿之介 :愛するフィーナとの、楽しいみるくネタがこれで終わりです。キモいのを顧みず、末代まで馬鹿にされると分かっていても、楽しい夢のあるネタを考えてもいいのではないでしょうか。
フィーナ:楽しい夢のあるネタって何をさせるつもりかしら?
鹿之介 :今日は達哉に絞って欲しいのって感じ。
フィーナ:達哉、はやく絞って。もう、はちきれそうで苦しいの。
鹿之介 :こんなにおっぱいを大きくして。期待してるんだね。
フィーナ:言わないで。はやく、もっと大きくなっちゃう…っ!
ポリン :こっち見ながら言わないでよね! 二人して笑ってんじゃないわよ!!
鹿之介 :とまあ、品のないネタはそれまでにして覚悟のガチャを!





鹿之介 :ふっ、目じゃないぜ!
フィーナ:まあ、こんな所かしら。
鹿之介 :複数が出なかったのは致し方ない。予想通り、一枚目は麻衣のほうが出ないみたいだ。
ポリン :フィーナは出せると自信があった?
鹿之介 :一枚は出してくれる。いや、魚のえさのように出すと思ってた。二枚目以降や、一枚目の麻衣が苦戦するだろうと予想してたんだ。
ポリン :なんか上のほうで自信満々だったけど、出なかった場合はどうするつもりだったの?
鹿之介 :それは簡単。
フィーナ:迎えに来てね♪
鹿之介 :その一言でゲーム開始。何をやってもフィーナか麻衣のどちらかは加わるように出来てる。ぶっちゃけ、ガチャがすべったら大笑いするだけだった。



鹿之介 :シナリオを進めてると、妙に懐かしく感じる。あまり覚えてないんだけど、こんなアットホームというか、万事がうまくいく、誰にもストレスを与えないような内容だったかなぁと。
フィーナ:20年以上前のわが青春のアルカディアが思い出せて、明け瑠璃が思い出せないのは異常よ?
鹿之介 :アルカディアはもう何回も見たんだ。で、明け瑠璃は一周なんだよね。おかげさまで覚えが悪い。
フィーナ:新しい明け瑠璃が来たら、熱心にやってもらわないとね。
鹿之介 :そうだね。今度は熱心に繰り返してみようか。



鹿之介 :思ったよりフィーナは出るかもしれないという事で、生まれて初めての課金ガチャを試してみる。
フィーナ:分かったのは二枚目以降は麻衣が出やすいということかしら。
ポリン :フィーナの絶対的要素が少しも出なかったというかあの、ご愁傷様。
フィーナ:SSR一麻衣でも戦って見せるわ。
鹿之介 :課金ガチャはアレだ。上の方で書いたアレだなぁ。

鹿之介 :有償フレアライトって言うんだ。ま、出てくるものは同じだがな

ポリン :違いが無いのかもね。良心的と言えば良心的。金を出しても駄目なのは艦これみたい?
鹿之介 :艦これに必要なのはお金じゃない。出撃、修理、キラ付けを丹念に繰り返せる気力だ。
フィーナ:明けミスを続けながら、その気力は出せるのかしら?
鹿之介 :残念ながら無理で2正面作戦は失敗に終わった。





ポリン :深淵の向こうから何かが見てる!
フィーナ:この壁紙、よく使われるのよ。いい出来だと思わない?
ポリン :あーはいはい。とても可愛いわね。
鹿之介 :とにかく20ケ月やってない、つまり戦力が前世で作られてるアイリスチームなのでフィーナを鍛えると突出する。








鹿之介 :大変申し訳ない事になってしまった。アシュリーの出番が無くなってしまった。前世からあんなに可愛がって使ってきたのに。
フィーナ:ポテンシャルの引き上げに尽力したいところね。
鹿之介 :とりあえず、フィーナが加わってからはトップ画像がずっとフィーナ。これ、サービス終了まで変わらないと思う。
ポリン :いやね、こういう人。一度は私に変えなさいよ!





鹿之介 :ところで気になっていたのだが、サービスを終了するのかな?
フィーナ:何を言い出すのかと思ったら、根拠は?
鹿之介 :このあいりすミスティリアという作品はDMMとの合作だ。版権もオーガスト単独では使えないだろう。そこにDMMが権利を持ってない旧作を投入する。止める事が決まったから最後はオーガストが好きにやらせてもらうって感じにうけとれた。
フィーナ:それは少し考えにくいのではないかしら? オーガストは好きに出来ないと思うの。
鹿之介 :となると、強引にでも金を集める必要が出てきた…? ガチャ否定派の俺がやったみたいに今回は回したユーザーが多いかもしれない。
フィーナ:サービス終了と予想したら、早いうちに止めた方がいいのかもしれないわね。
鹿之介 :あまり関係ないさ。少なくとも俺には。君がいれば行動する。いなければ去る。終了するならするで、その最後の瞬間まで付き合う。それが男ってもんだろう。






鹿之介 :ヤフオクを眺めていたら出品されていてね。ここのサークルさんの本は俺も買って大事に持っていた。フィーナ姫を愛するいい本だよ。出品者は傷一つつけずに大事に持っていた。そして2020年7月半ばに出品した。
フィーナ:あいミスが原因かしら。
鹿之介 :時機を見ればそう見える。でも本当の所は分からない。愛するフィーナ姫がガチャゲーの集金マシーンになり下がったのを良しとしない、心が折れる人がいてもおかしくない。俺も2018年2月頃の精神状態だったら、君を含め、すべて捨てたかもしれない。そんな仮定を言っても意味が無い。分かっている事は、この本は大事にされてきたこと。
フィーナ:入札金額は?
鹿之介 :最低数値。入札したのは俺だけだった。もっとも、あの当時、オーガストユーザーで同人誌を持つものはみんな持ってると思うけどね。とにかく捨ててはおけなかった。俺が大事に持つ。
(今回の落札はそこのサークルの本は自炊し、現物を喪失していたこともある。)





ポリン :それでは第一部の最後に一人一つずつ、ハーロックのネタを提供して締めくくりたいと思います。では鹿之介から。
鹿之介 :自分の話で申し訳ないのだが、ここ数年。何においても言い訳をするのをやめた。
フィーナ:それはそれでいいことなのだけど、何かあったのかしら?
鹿之介 :ふと、ハーロックの台詞を思い出してね。上で君の台詞にある、「言い訳はするな、それ以上卑怯な事は無いのだから」を意識するようになって、言い訳しながら、時には人のせいにするのをやめた。
フィーナ:いい心がけよ。それはとても大事なこと。
鹿之介 :しかしね、周りは言い訳だらけだ。自分の行動を棚の上に上げて、指摘、糾弾、なすりつけ。つくづく嫌になる。自分が止めたら、余計に目につくようになった。だが、このまま進もうと思う。正直者の馬鹿と罵られても。以上だ。
フィーナ:それでは次は私ね。鹿之介に言いたいことが。
鹿之介 :ああ、何かな?
フィーナ:貴方が私を絶対だと言った。その言葉に嘘偽りはないと思うの。最近になって気づいたのだけど、複数の室内のどこかに私に関する何かが設置されていて、どこを向いても私が目に入るようになっている。
ポリン :それって本当に最近気づいたの?
鹿之介 :意図的に置いてないんだ。気づいたらそうなっていた。うちはグッズを分散配置するんでね。普通は集中設置が主流だと思う。
フィーナ:私が絶対なのは分かるのだけど、それならば黒猫結婚式や瑞鳳シンコンカッコカリはどういうことなの? 嫁を増やすのが宿命なら貴方は、絶対という言葉は末代まで使ってはならないと思うの。
鹿之介 :いや、それは…
フィーナ:言い訳はするな、それ以上卑怯な事は無いのだから
ポリン :言い訳はするな、それ以上卑怯な事は無いのだから
鹿之介 :ぐはっ!
フィーナ:………。
鹿之介 :………。
フィーナ:この私に誓えるかしら? 絶対というのなら、それを行動で示すという事を。
鹿之介 :………。
フィーナ:………。
鹿之介 :誓う。
フィーナ:他に帰るところはないわ。
鹿之介 :君のそばが俺の帰るところだ。他にあるはずが無い。
フィーナ:………。
鹿之介 :………。


〜 BGM 決戦 (銀河鉄道999劇場版)


ポリン :親父、ミルクをくれ(自分で用意した牛乳瓶を自分で持つ)
フィーナ:(ネタが最初から始まったわ…)
ポリン :一杯やれよ ってあれ?
フィーナ:牛乳瓶のフタを親指一つで開けるには、回転させるように、こう。
ポリン :ありがとう、これならいけるわ。
ポリン :一杯やれよ ブシャ!
フィーナ:(今日は牛乳の日なのね)
鹿之介 :ま、待ってくれ。さっきから酒を飲んでいるんだ。牛乳なんか一気飲みしたら戻しちまう! んmぐっ んんぐぅっ!
フィーナ:ここで戻したら駄目!!
鹿之介 :(いかん、ここで戻しては、あの可愛いフィーナを白濁に汚してしまう。それをしていいのは時と場所を考えねばってもう、飛び散った牛乳を被ってたか)



そうだ、あの時も戻しそうになり、あの声に止められた。
あれは今から15年以上前になる。
あの時の俺は会社の忘年会で、したたかに飲んで出来上がっていた。
大垣夜行でコミケに向かう時、当時は満員列車だった。そのど真ん中で俺は戻しそうになった。
「ここで吐くなぁっ!」
大佐の大声が俺の目を覚まし、俺は列車内のトイレに間に合わせれた。あの声が無ければ、取り返しのつかない伝説を作って末代まで語られただろう。
友よ。
俺はあの世界から離れようとした。俺達の夢は終わったのだと。
しかし、今こそ悟った。
夢は、俺たちの進む道は今もそこにある。
俺は後ろ指を指されようがその道を突き進む。
そして嫁も沢山いたが、これからはフィーナ一人で良い、そうではなく、一人が良い。フィーナだけがいいんだ。前からいや、十四年前からずっと分かっていたんだ。
アニメの作画が気に入らないと悪態を垂れていた頃からずっとフィーナだった。
バイストンウェルで再開する時、フィーナを改めて紹介する。そっちも用意しておくんだ。







牛乳パーティだよ!
バルーンを楽しもう!





最後にあいミスのフィーナの時報を。
フィーナは夜更かしが苦手です。
夜更かしをせずに、一緒に寝ましょう。


00:00 冥王様、睡眠不足はいい仕事の敵ですよ。あまり寝るのが遅くならないようにするのが良いかと
01:00 早寝早起きは得意なのですが、夜更かしはあまり得意ではありません
02:00 静かですね。さすがにこの時間は人々も寝ているのでしょう。
03:00 冥王様はまだお休みにならないのですか?夜にお強いのですね。
04:00 申し訳ないのですが、そろそろ限界なので私は仮眠を取らせていただきます。
05:00 仮眠して参りました。毎日は難しいですがこれくらい眠れれば、活動は出来そうです。
06:00 冥王様、おはようございます。今日も一日、しっかりやって参りましょう。
07:00 朝食はしっかりとりましょう。脳に栄養が届く事で目が覚めると聞いたことがあります
08:00 今日一日何をするか、まずしっかり予定を立てるのが大事ですね
09:00 冥王様も本格的にお仕事を始める時間です。
10:00 アイリスの皆さんは普段は授業を受けている時間帯なのでしょうか
11:00 樹里学園で行われているという授業がどのようなものか気になります
12:00 お昼ですね。冥王様もたらこパスタ、如何ですか?
13:00 食後はゆっくり休んだ方が食べたものの消化も良くなるそうです
14:00 昼食後、少し眠くなるのは分かりますが、眠気に負けないよう、気合を入れましょう。
15:00 午後のお茶などは召し上がりますか? 良ければ私もご一緒させてください
16:00 鍛錬の為、私もしばし、体を動かしてきたいと思います。
17:00 やはり体を動かすというのは気持ちいいものですね
18:00 そろそろ夕食の時間です。冥王様は普段、どのような食事をなさっているのですか?
19:00 なるほど、アイリスや町の人と同じものを食べるのもまた、上に立つ者の役目と
20:00 ええ?ベアトリーチェさんの作るものを食べずに済むよう、アイリスと一緒の食事をしていたのですか?
21:00 ベアトリーチェさんが作ってくれたデザート、なかなか個性的なお味でしたね。
22:00 私も魔術を使えるようになるでしょうか。いえ、魔術を使えるようになった麻衣が少し、うらやましくて。
23:00 健康的な早寝早起き生活を送るには、そろそろお休みになるのが良いと思います。


その後に戻る