1 今年の生誕記念 お題は聖戦士ダンバイン



鹿之介:
こんばんわ、地上世界の皆さん。
毎年恒例になっているはずの日が来ました!
今年のフィーナ生誕記念のお題は、40周年を迎えた聖戦士ダンバイン!


フィーナ:
ちなみに迎えたのは昨年で、鹿之介が知ったのは最近です。


ポリン:
ロボットアニメなのね?
ちょっと今までと雰囲気…、毛色が違うのね。


鹿之介:
まあロボットといえば普通はガンダムを指すんだが、俺はガンダムについては限定的で周りと話を合わせる程度の知識と興味しかない。
真面目に全話見て考察まで考えたのはこの作品になる。
ちなみにスパロボFというゲームから入ったクチ。


フィーナ:
スパロボFから入ったロボットアニメには他、戦国魔神ゴーショーグンというのがあるわ。
こちらについてはその特殊性から生誕記念では取り扱わない方針よ。


ポリン:
そう言われると、そっちの方が気になるわね。
何でよ?


フィーナ:
聖戦士ダンバインは"世界観"、"メカ"、"キャラクター"、"ストーリー"でしっかり構成されているから、キャラクターの立ち位置を入れ替えてストーリーをなぞる生誕記念では適応できるの。
ゴーショーグンはその類稀なる"キャラクター"重視から、キャラを変えたら成立しないレベルになるの。


ポリン:
フィーナにキャプテンハーロックをやらせられるなら、何でも出来そうだけどね?


鹿之介:
ゴーショーグンについては無理だと判断しているが、この項目は本来、在りし日の大佐を偲ぶ、あの頃をを偲ぶものでもあるので何とかするかもしれない。
まあとにかく今回はダンバインで。


フィーナ:
今年のゲストはあの方かしら?
以前の雰囲気で書くと、原作無視になるわね。


鹿之介:
同人の影響を無茶苦茶に受けているから、面食らうキャラに仕上がっている。
あの頃はちょっと飛んでるのが普通だったけどね。
みんな大好きシーラ様だ。
とりあえず今度のダンバインはこういう配役で。
ストーリーについてはバイストンウェル内で完結。


鹿之介→反ドレイクの一人。ニーに相当。ただしニーは存在し彼とは別行動

フィーナ→ナの国女王。シーラ様に相当。

ポリン→聖戦士

アリン→聖戦士

キング→聖戦士

仁礼栖香→エレ様に相当


ポリン:
無難すぎる配役ね。


アリン:
三人目の聖戦士の役、なんか落ちていきそうですよね。


鹿之介:
キャラソン流しながら?


ポリン:
まあこれで書いていくの?


フィーナ:
書く前にゲストと相談ね。
これでいいのか意見を貰いましょう。
覚悟はいいかしら?


鹿之介:
そうだなぁ。ゲストの意見を聞かないとなぁ…。
よし…、資料を揃えたらお伺いだ。
この時間に行う。この部屋に集合だ。では解散。





ポリン:
やけに神妙だったじゃない。
ゲストは難しい人のようね。
今回のゲストはシーラ・ラパーナ女王。ナの国の女王。ふぅうん…。
まだ時間もある事だし、ダンバインの資料に目を通しておこうかしら。

主人公は異世界にいる悪役が呼び寄せる…。兵隊として使う…?
悪役と戦う正義の人は戦力がない。
よって悪役は国を乗っ取り他国を滅ぼしていく。
正義側の戦力が整うと世界大戦となり戦場が異世界から現実世界に移行。
巨大戦艦を中心に大群同士が会戦する。
怪獣を使って作ったオーラマシンに核ミサイルを打ち込んだりするようになる。
収拾がつかなくなりそうね…。
あら、そろそろ時間ね。5分前ならギリギリになってしまったかしら。




ポリンが扉を開けて入出すると、すでに始まっていた。
思いもよらなかったのは室内には多くの人が入っていた事か。
シーラ様護衛も兼ねてか、バイストンウェルの主要人物も参加しているとのこと。
奥を見ると鹿之介やフィーナが執務用机を前に並んで立ち、説明をしていた。
机に座って話を聞いている若い女性が、シーラ・ラパーナか。
眼鏡をかけて書類を見ていた。
眼鏡っ子じゃなかったはずだが。17才という若さでも、もう40年経つと老眼がいるのかもしれない。
「以上が今回の大佐を偲ぶ会2024。フィーナ生誕記念のネタ、聖戦士ダンバインの概要です。
 本編の後に考察を加えようかと検討しています。」
鹿之介が説明を終え、シーラ様を見る。
酷く緊張していた。
シーラ様は鹿之介を見上げると落ち着いた声で言った。
「出演に私の名が見えませんが?」
ただならぬ雰囲気を見せる。


鋭い視線でキングが鹿之介を見る。
やはりそこを突っ込んできたか…。
鹿之介は狼狽を隠しながらフィーナに任せる。
「その件についてはフィーナから説明が」
フィーナとシーラ様が目を合わす。
シーラ様とやり合えるのはフィーナだけと当初から話されていたが、シーラ様の方が胆力は上かもしれない。
年はフィーナより一つ若いはずだが、上にも見える。
纏った雰囲気は聖少女と呼ばれた女王か。
「私がフィーナ・ラパーナという立ち位置で出演しますので、シーラ様には我々のネタには付き合わせず、終了後の感想、解説をお願いするものです」
静まり返る室内。
返答せずシーラ様はゆっくりと眼鏡を取る。
手が震えているのは怒っているのか?
眼鏡を机上に置くと、シーラ様は淡々と言う。
「フィーナ生誕記念のメンバーの他は、この部屋から退出してください」
言い終わると、ぞろぞろとバイストンウェルの者達が扉を開けて出ていく。


ああ、いかん。
うつむき加減な鹿之介が、出ていく者達を見る。
女王様を置いて出て行ってしまう。
側近の艦長からスキンヘッドの親父、ピンク一色の若い男。
みんな苦笑いながらさっさと出て行くと、シーラ様が顔を上げる。
「何ですか、後で感想聞かせてねって!? 艦これじゃないんですよ!!」
強烈な𠮟責だった。
鹿之介、フィーナも抵抗せず黙っていた。
「だいたいなんですか、ダンバインでやるというのに私を除外する。
 貴方同じ事を仁礼栖香に言えますか!?
 今度、フィーナ生誕記念で"かにしの"やる。君の役はフィーナがやるから後で感想聞かせてね。
 言えないでしょ!?
 いつだって貴方は尻穴奴隷には優しかった!!」
凄い剣幕だった。
ポリンは思い出した。
2000年弱の時代に描かれたネタは傍若無人な所があり、特にセラムン、スパロボ、F&Cあたりはヤケでもあったと。
やめときゃいいのに、シーラ様に挑んだ者がいた。
「一国の女王が本人を目の前にして、尻穴奴隷と発言するのは浅はかと言わざるを得ません!」
仁礼栖香だ。強い態度で臨んだ。
しかし相手が悪かった。
「貴方の事を尻穴奴隷と呼んで何が悪いのですか!?
 だいたい、何で貴方がそこにいるのですか?
 まだかにしのやってませんよ?」
「第一回アルカディアの頃から参加していますが何か!?」
「それがオカシイと言っているのです!
 かにしの終わるまで大人しくしていなさい。
 それともかにしのはやりませんか!?」





室外の廊下では多くの人が見守る中、一人の少女が不安をむき出しにしていた。
「私もあんな感じで参加するのでしょうか…」
「心配しなくてよろしいのですよ」
「そうだよ、エレは何もアレを真似しなくて良いんだ」
少女の家族が慰めている。
室内ではシーラ様のヒートアップがまだ続く。





「そもそもフィーナ生誕記念って何ですか?
 昨日まで、好きだ、嫁だ、愛してるといい、今日はしっぽを振ってフィーナ生誕記念!!
 貴方のやっている事はムリグソンに笑われている行為ですよ!」
「古来よりエロゲオタという存在は斯様なものです!」
「貴方は黙っていなさい、尻穴奴隷!!
 スパロボで知って興味を持って、LDセット上下を買って何度も見て、私の扱いは水野亜美、有栖川光海と変わらぬ地位に置かれ、母艦はフルアップ グランガラン!!
 それが今ではちょっとそっち行っていて。後で感想聞かせてね。
 ダンバインで!!
 700円で嫁を増やしているクソ提督の方が思いやりがあるんじゃないですか!?
 こんな事ならファンナや奈月と萌えキャラ下剋上を起こすべきでした。
 そう、ドレイクのように!!」
立ち上がり、身振り手振りを加え、ボールペンをその辺に叩きつける。シーラ様は見た目に寄らず激しく吼えていた。
身に覚えのあるのか鹿之介は俯いていた。
そんな光景をアリンは楽しそうに眺める。





「ようやくあの小娘もワシの下剋上を理解したか」
「そんなことは言っていない!」
「いいや、言ったであろう。あの言葉はそういう意味がある」
「いや無い! 貴様の思い上がりだ!」
廊下ではスキンヘッドの親父とピンクの男がいがみ合いを始める。
それを若い娘が間に入る。
「お父様もニー様もおやめください…!」





やがて冷静さを取り戻すと、シーラ様は俯きながら座り、ぽつりと一言。
「今のは失言でした…」
静寂を取り戻した空気の中、淡々と言葉が続く。
「その萌えキャラ達も今では面変わりしました。
 一昔前は多様な属性を並べて多くの、いや個性派なファンの需要に応える、様々なキャラがいました。
 確かに、誰得?なんて苦笑する存在もありました。
 それが今ではなんですか…。
言葉を止め、正面に並ぶ女性陣を見る。
一呼吸置くと、一気にまくしたてた。
「誰も彼もがおっぱいプルンプルンと揺らして媚びを売る!
 児ポ法が怖いのか巨乳まみれ!
 普通のサイズを貧乳とか、貧しいという漢字を使う侮辱行為が平然と行われ、とどめは貧しいのではなく品格の品だという言葉も。
 無駄な慰めはいりません!
 これは普通なのです!!
 普通を普通と扱わないのが異常なのです!」




やがて一人の女性と目が合う。
何かを訴えるその目をシーラ様が捉える。
「貴方の名は?」
「ポリン・フォン・ハイルブロンと申します」
「今の話は可笑しいでしょう。
 貴方はどう思いますか?」
「感嘆するところがあります。
 現実にはそんなにいないのに、萌の世界では巨乳が溢れかえっているのは異常そのものです」
「分かって頂けましたか。
 放映開始から四十年。貴方の意見が聞けたました。今日は良い日となりましたね」
苦笑いともとれるような、微笑を浮かべた二人。
その間に空気が微妙に読めなかった一人が介入した。
「ポリン姉さまは巨乳になりたいから、なれる薬をずっと研究してます」
アリン。ポリンの妹だ。
キングや栖香、他の者もぎょっとして見る。
いずれの目も、「余計な事言うな」だった。
シーラ様が固まる。




意を決して口を開く。
予想に反して穏やかな口調だった。
「その薬の完成は…、目途は立っているのですか?」
「いまだ道半ばです。
 私は錬金術師としてこれからも研究を重ね、必ず作ります。
 作ってじ、自分の胸を大きくします…!」
「そうでしたか………。分かりました。
 ナの国女王としてその研究に協力します。
 貴方は私が待ち望んだ聖戦士だったのですね」
「せ、聖戦士…!?」
「そうです。バイストンウェルを救う救世主です。期待していますよ聖戦士ポリン」





シーラ様:
そういうわけで、ストーリーは全部変更です。


フィーナ:
構想を全部放棄するのは如何でしょうか?


シーラ様:
現在の生活スタイルでは、オーラロードを通ってからドレイクの戦争をバイストンウェル内で完結させるストーリーを書き上げることは不可能です。
今だアルカディアが構想止まりで進んでいない上、ウマ娘の項目も放置されています。
ここはダンバインも短期決戦のショートストーリーで走りぬきましょう。


鹿之介:
四国揃えての決戦シーンからになるわけで?


シーラ様:
揃いません。足並みが揃わないからバイストンウェルなのです。


鹿之介:
妙に説得力がありますね。


シーラ様:
出来ました。これでいきましょう。
はいスタート!

大佐を偲ぶ会、フィーナ生誕記念2024のお題は聖戦士ダンバイン。
サブタイトルは「仰天、赤い嵐の女王!」

戦雲がフィーナを呼ぶ!!

聖戦士ポリン殿、貴方の活躍にかかってますよ。





※水野亜美
説明不要 セーラーマーキュリー

※有栖川光海
バーチャコール3のヒロイン。
今に至るもF&C部門では最強の存在。
話題に出ているスパロボでは主人公の女の子に光海とつけらていた。
"みつみ"で光海と変換できるようになっている。

※ファンナ
甲竜伝説ヴィルガスト参照
ヤフオクの死闘、完結編。轟け28サンチ榴弾砲!参照
初代嫁という変な称号を昔から持っている。

※奈月
葵奈月、はるかぜ戦隊Vフォース参照
出現当時、ファンナ、マーキュリーを超える存在だった。


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