達哉はフィーナの肩に手を回し、そっと引き寄せた。
目をつぶり、その可愛らしい唇を向けるフィーナを見て思う。
この先、誰を見ても何を知っても、この愛するお姫様だけを見つめていたい。
顔を近づけ、吐息がかかる。
すっと唇が触れる。軽く、優しく重ねられた。
爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。
(フィーナ、この香水は…)
以前にプレゼントしたものを、今日この時に使って貰えたことで達哉の心の奥が熱くなる。
唇が離れる。見開いた目がお互いを見つめる。達哉が言葉を出そうとしたとき、その口はフィーナに塞がれる。
押し付けられる唇にたまらなくなり、達哉はフィーナを抱きしめる。口を少しずつ開き、愛する人の唇を舌で触れる。
それが合図かのように、フィーナ唇を開き、舌を絡め、触れ合う。
伝ってくる唾液を掬い、からめて舌同士を舐めあう。
吐息が、お互いの声が漏れる。汲み取れなかった唾液が唇を伝っていく。
やがて唇が離れると、一本の線が伸び、切れる。
「フィーナ、愛してる。誰よりも君を」
「私もよ。達哉、貴方を愛してる」
互いを強く抱きしめる。唇の位置を変えながらも、愛を確かめ合うようにキスが続く。
抱きしめる両手のうち、左手を離すと、触れる場所をフィーナの背中から下げていく。
舐めるように尻を撫でまわし、その手は達哉とフィーナの間を割って入り、右の乳房を触れる。軽く揉みながらそのドレスを剥がしにかかる。
「…待って…、ここじゃ…」
「誰もここにはいないよ。俺とフィーナだけさ」
「せめて、体を隠せる場所に…。貴方以外に、遠くからでも見られたくないの…」
「ごめんフィーナ。ではそこに行こう」
ホームに設置されている、待合室に入る。
小さな待合室は四人も座れば一杯になる広さしかない。
それでも二人には十分だった。
「フィーナ、壁を向いてこちらにお尻を出して…」
「こ、こうかしら」
壁に手をつき、後ろを振り返りながら尻を突き出す。
「ああ、いいよフィーナ。始めるよ」
スカートの裾を持ち上げる。ゆっくりと上げていくと、フィーナの期待に満ちた秘部までも突き出される。
そのきれいなお尻を撫でながら達哉は、滑りを伴い、日光を浴び、輝いて見えた一点を見つめる。
「フィーナ、君は、その………」
「ああ、じらさないで達哉…」
下着を履かず、むき出しになっていた秘部にキスをする。
暖かく、帯びた粘液は愛する人を待ちわびていた。
「フィーナ、美味しいよ」
フィーナの香りを、粘液を、達哉は感じ取ると興奮はさらに高まった。
舐めとり、吸い、時にフィーナの一番弱い所を直接に刺激しているうちに、達哉自身も抑えが効かなくなっていた。
「フィーナ、いいかい?」
「いいわ達哉、私を感じ取って…!」
すぐにズボン、肌着を下すと、固く憤ったものをフィーナの秘部に当てる。
触れる先からフィーナの体温を感じ取れた。そして挿入していく。
「ふぁ、ああぁぁっ」
喜悦の声を聞きながら、達哉はゆっくりと押し進める。
愛液に満ちたフィーナの膣は暖かく、優しく包み込んだ。
「…達哉、好きよ。ああっ、好きっ!」
「フィーナ、俺も好きだ。君が好きだ!」
奥まで届くと、動きを止める。達哉は呼吸を整えようと、自分を落ち着かせようとする。
滑らかで暖かい膣、愛を紡ぐ甘い声。
挿入するだけで達してしまいそうだった。
「達哉、遠慮しないで。……」
フィーナが腰を動かすと、すぐに限界が見える。
「いくよフィーナ!」
奥から戻し、再び挿入。挿入のたびに強い、電撃が走るような快感が背に走る。
フィーナの甘い声、動くたびに漏れる淫靡な音。少しでも長く持たせたかったが、達哉の限界はすぐにきた。
「フィーナ、ごめん、もう、射精る!」
「いいわ、奥に出してっ。達哉の思い、私の一番奥に流し込んで!」
強い射精感。下半身ごと持っていかれるかと思うほどの快感。フィーナの一番深い所に叩きつける。
「フィーナ、とても気持ちよかったよ。情けないぐらい、すぐに出してしまった」
「私も気持ち良かったわ。貴方だからこんなに感じれるのね。…駄目よ、すぐに抜いては」
射精したとはいえ、まだ硬さを保っている。
抜こうとするのを制すと、フィーナは自然に抜けるまで達哉を感じ続けた。
そっと顔を寄せ、キスをする。
達哉の両手はフィーナの胸に重ね、下着をはがすと、そのままゆっくりと揉みだす。
二度目を始めようかという流れではあったが、達哉のものは落ち着きを取り戻し、ゆっくりと抜けた。
簡単に身だしなみを整えると、そのまま待合室で座り、休憩を取った。
過ぎた事も、これからの事も話す。
二人の空白時間が特別にあったわけではない。
もしあるとすれば心の空白か。二人は埋めるように、言葉を続けていた。
「だからきっと、分かり合えなくとも、それなりにやっていけるだろうと思っていた」
「そう、信じていたのね。どこかで…」
フィーナは達哉の右肩にしなだれるようにもたれかかり、その言葉を聞いていた。
「いろいろ考えがあっても、妬みなどの感情を持ち始めたら、どうにもならないようだ。目線が違うんだろうね」
「そうね、見ているものがそもそも違えば、考えも食い違う…。修正は容易ではない。いえ、それはもう、駄目なのかも」
フィーナの指が達哉の胸をなぞる。それが合図になったかのように、達哉はフィーナの右肩まで手を伸ばし、顔を向ける。
目線が合うと、どちらかともなく、唇を重ねあう。
舐めあうようなキスから、相手の口内に乗り込んでいくような激しいキスに移っていく。
舌が絡みあい、吐息も荒くなる。
達哉の左手が、フィーナの右胸に触れる。優しく包み込み、軽く揉み、そのドレスを剥がす。
露出した乳房を揉みながら、時折、乳首を撫でる。やがてその乳首がツンと張ると、達哉はキスをやめる。
「こちらも可愛がってくれるかしら」
左胸も露出し、フィーナは期待の目で見た。
「ああ、どちらも可愛がってあげるよ」
すでに立っている方の乳首を舐める。舌で押し倒すように、先を撫でるように。
そして一度は舌を離し、乳輪に沿って舐める。一周、二週と舐め、乳房全体をもみ始める。
フィーナの吐息が落ち着いた頃合を見て、もう一度、乳首に舌をつける。今度は、激しく、かき回すように。
「はぁぁっ、あぐっ…!」
急な刺激に身震いする。思わず達哉の頭を押さえ、自分の胸に押し付けるようにしてしまう。
反対側の左胸は大きく、ゆっくりと揉み解されながら、乳首への愛撫もされていたが、こちらも合わされ、激しく揉まれる。
「待って、達哉。ああ、だめ、あ、あ、待って凄いの、ちょっと強い…、待ってこっちも、あ、ああ、こっちもしてっ…はぁ…!」
顔を上げる。上気して口が半開きのまま、フィーナが見下ろしていた。その手は左胸を達哉の手ごと持ち上げていた。
次は左胸の乳首を吸い、その先を上下、左右に弄るように舐める。
「ふぁぁああっ、達哉! ああ、もっと、もっといいの!」
舌の動きを早める。達哉の頭を抑える力が強くなる。右の乳首も摘まれたり、爪で弾く、強い刺激が加われていた。
達哉は右手を使って、スカートの下へもぐりこませる。フィーナの一番暖かい所は、蜜が溢れていた。
そのまま指を推し進めようとすると、
「……っ、そこは待って、ああ、あっ、まだ待って。いま入ると…もう、すぐに、すぐに欲しくなっちゃう!」
フィーナは達哉に軽くキスをすると、そのワイシャツに手をかける。
「今度は、私がしてあげるわ。いつも達哉は私の乳首を可愛がってくれるから、そのお礼よ」
「それはつまり、俺の?」
「そうよ。さあ、リラックスして、私に任せて…」
ワイシャツを、そして肌着も脱ぐとフィーナの顔が胸に近づく。吐息を感じる。
「どちらが良いかしら?」
「ん、ん………」
フィーナの両手が乳首を撫でる。こそばゆいというか、くすぐったかった。
気持ち良いとはまた違う。
撫でたりさすったりしているうちに、反応する乳首が直立してゆく。
「うふふ、こっちかしら?」
達哉を見上げながらフィーナは妖艶な笑みを浮かべた。左胸にキスをしながら、咥えるように口を開け、吸いながら舌で乳首を弄る。
「んあっ!」
情けない声が出る。フィーナが舐めた乳首に電気が走ったかのような強い刺激を感じた。
優しく上下に舐める。
「フィーナ、気持ちいい、気持ちいいよ…」
優しく舐めながら、前触れも無く、強く舐める。叩きつけるように舌を動かし、虐めるように、刺激をくわえる。
「ん、んんっ!」
達哉の声に合わせ、フィーナは鼻にかかったような甘い声が出す。
さら興奮する。呼吸はすでに激しくなっている。まさかイってしまうのか。未知の快楽に身を任せていると、乳首への刺激はゆっくりとなり、止まる。
見るとフィーナを目が合う。
「凄い反応よ。素質があるのかしら? それにこっちも…」
フィーナの手が下に触れる。すでにいつで撃てるかのようになっていた。
「フィーナ、何で覚えたんだい? すごく気持ちよかった」
「貴方に教えてもらった事を実践しただけよ。良かったわ、悦んでもらえて」
「これは負けてられないなぁ。俺も研究してフィーナに悦んで貰わないと」
「私も貴方にもっとしてもらいたいの。楽しみにしてるから」
フィーナを立たせ、背を壁につける。
右足を座席に乗せて開かせる。
すでにフィーナも準備は整っている。達哉は体を重ねるとフィーナの左肩に右手を添え、キスをする。
フィーナの両腕が達哉を抱きしめる。
「んっ、ん…んあっ………んん……」
濃厚に、舌を絡めあう。フィーナに達哉のものが当たる。それは入口を舐めるようにゆっくりと動く。
唇を離し、吐息と共にフィーナの言葉が出る。
「駄目よ焦らしちゃ。来て達哉。私を愛し………はぁっ………ああっ…!」
ゆっくりと入り、優しく奥まで進む。
入りきった所で一度動きを止める。
暖かく、ねっとりと絡みつくフィーナの膣。二度目になるというのに気を抜けば放ってしまいそうだ。
ゆっくりと、回転させるようにグラインドさせる。
「んん…、あっはぁっ!」
かき回される感覚にフィーナは声を出し、右足を達哉の腰に絡める。
ゆっくりと、回転させるようにグラインドさせる。
「んん…、あっはぁっ!」
かき回される感覚にフィーナは声を出し、右足を達哉の腰に絡める。
「はあっ…いいのっ、もっと…来てっ!」
グラインドのスピードをあげつつ、ピストンを徐々に加える。
「はっはぁ…あっ!あっ!…はぁっ!」
蜜がさらに溢れ、フィーナの左足を伝っていく。
「あっあっ…来てるっ。達哉の奥に来てる…! もっと来て、来てっ!」
突き入れる度にフィーナは満たされていく。
「ああ、……達哉、好きよ! 来て…達哉、一緒に……!」
フィーナから強く抱きしめられる。熱い膣が射精を促す。
「フィーナ、フィーナ!!」
「達哉、達哉っ! ああ、ふあっ…あ、あああぁぁぁっ!!」
精液を流し込むように、どくんどくんと放出する。意識が飛びそうになる快感。
目の前ではフィーナの顔が悦楽に酔いしれ、呆けているかのようだった。
どちらともなく、唇を重ねる。
興奮の余韻が残るお互いの口内を、舌で激しくかき回す。
まるで頭の中までかき回されているのではないかと思うほど、濃いキスだった。
間を置いてさらに射精する。少ないとはいえ、まだ出ることに達哉は驚いた。今のキスで、わずかばかりに残っていた分が放出されたのだろう。
唇を離し、見詰め合う。
「愛しているよ、フィーナ…」
「私も愛してるわ、達哉」
身支度が整う頃、周りを見ればすでに暗くなっていた。
腕時計を見るが、相変わらず時間はよく分からなかった。ムーンフェイズ機能は満月を指している。
澄んだ星空に時折、流れるような微風。喧騒など無縁な世界から踏み出していく。
「行こう、フィーナ」
「ええ。これからはずっと一緒よ」
「ああ、俺も生涯をかけて君を愛し続ける」
その手を握り、歩き始める。
これまでの想い出を仕舞い、新たな時を刻んでゆく二人を月は優しく照らしていた。
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